空き家の仲介手数料の最新情報と改正点

サムネ

こんにちは、郡山相続不動産相談所の名村考太です。

最近、不動産売買を考えている方々の間で話題になっているのが、仲介手数料の引き上げです。特に2024年7月から手数料が増加したことについて、理解を深めるためにその背景を詳しく解説していきます。

空き家の増加とその影響

日本では空き家問題が深刻化しています。上記のグラフは、空き家率の推移を示したものです。これを見ると、空き家率が年々増加していることがわかります。空き家が増えると、地域の景観が損なわれるだけでなく、防犯や災害リスクも高まります。この問題は国家的な課題として対応が求められています。

不動産仲介業者の収益性の低下

空き家が増加すると、特に価格の低い物件の取引が難しくなります。安価な不動産は、仲介手数料が低く設定されることが多いため、業者にとって収益性が低いのです。取引の収益性が低いと、業者はその取引に対するモチベーションを維持するのが難しくなり、結果的に低価格物件の取り扱いが減少します。

800万円以下の不動産に関して売主が支払う仲介手数料の推移

2018年1月1日にも空き家対策として仲介手数料の下限撤廃を行い、800万円以下の取引時に18万円(税別)と設定されましたが、2024年7月1日からは下限額が30万円(税別)となりました。

不動産にはほとんどの場合固定資産税が発生しています。活用しきれない不動産は持っているだけでマイナスです。不動産会社としても、手数料はあくまでも成功報酬として受け取れるものであり、価格を下げてでも売れないものを積極的に扱ったとしても、売り上げにつながりません。それでも空き家は国家的な問題であるため、『不動産会社、頑張ってどうにかせよ』という意味合いで手数料が上げられたと、私は理解しています。

買主が支払う仲介手数料は?

変化ありません。

対象不動産が
200万円以下の場合        5.5%(税込)
200万円超え~400万円以下の場合 4%+2万(税別)
400万円超え~ 3%+6万(税別)
不動産の規模、用途、状態にもよるかと思いますが、『安い』ということは『高くすると売れない』ということです。
売りにくいものを買ってもらえる購入希望者から手数料まで高くすると、空き家対策としては本末転倒です。

最新情報と今後の見通し

空き家対策としての仲介手数料に関する法整備は今後も進むと予想されます。国土交通省や地方自治体は、空き家問題の解決を急務とし、仲介手数料のさらなる柔軟化や、税制面での優遇措置の拡充などを検討しています。

また、地域活性化の一環として、空き家の活用を推進するための新しいプログラムが次々と発表される見込みです。特に、デジタル技術を活用した空き家マッチングプラットフォームや、地方創生を目的とした新しい税制優遇策など、今後の動向に注目が集まっています。

まとめ

空き家の仲介手数料に関する最新の法改正や制度は、取引の円滑化とコスト削減を目指すもので、今後もさらなる変化が予想されます。空き家の売買や賃貸を検討している方は、最新の法制度や自治体の支援策を把握し、効果的に活用することが重要です。不動産業者と連携しつつ、地域の空き家問題解決に貢献できる取引を進めていきましょう。

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