遺産相続で欲しいものだけを取得する方法
遺産相続で、『欲しいものだけ取得する方法』ということで今回はお伝えしたいと思います。
基本的には遺言書みたいなものがなかったことを想定します。
人が亡くなれば、そのときまでその人が使ってきたものがいろいろあるはずです。
お家であったり車であったりお金であったりですね…その中で欲しいものといらないものってあると思います。
誰しも欲しいものだけもらえれば一番いいかなとは思うんですけど、なかなかそうも行かないというところが 実際のとこあります。
まず、結論からお伝えますと遺産相続で欲しいものだけを取得することは『非常に難しい』ということです。
遺産相続の時に欲しいものだけもらうということは大変難しいです。
とはいえ可能な限りそれに近づける方法を考えていきましょう。
相続の方法は3つある
単純承認と限定承認と相続放棄という3つの方法が選択できます。
単純承認は、何かもらったらプラスの財産も借金などのマイナスの財産も全部もらうという形です。
法定相続人が複数いた場合、それぞれが単純承認するか相続放棄をするかは自由です。
単純承認を行う全員で、私は家がほしい、俺は車をもらう、僕はお金をもらうという形で話し合って好きなものを選択することも自由です。
しかし、単純承認をした人間が、『これは放棄するので国にひきとってもらいます』という形で要らないモノだけを無くすことは出来ません。
遺産を分ける話し合いの場で『欲しいものだけもらいます』と、主張することは可能ですが、単純承認をした法定相続人が他にもいる場合にはその方々との話し合いが必要になります。
限定承認
この言葉だけ見ると『なんかこの方法で全部うまくいくんじゃないか』 と思ってしまいそうなんですけど、そうはいかないですよね残念ながら。
これは、相続が発生した際に何かプラスの財産が明確にあることは分かっている。ただ、借金とかもあるかもしれないよ、というときに
プラスの部分までにマイナス部分を限定して相続をする
という方法です。
『借金だけもらわずにプラスの財産だけもらいたい』と思うんですけど、それはできないんですよね、 どうしても。それがアリならば本当に何でもやり放題になってしいます。借金し倒して不動産など買いまくって、亡くなったあとは借金だけ相続しないなどということが成立してしまっては、借りたもん勝ちみたいになってきます。社会がおかしくなるものですから、そういうわけにいきません。
この限定承認というのは法定相続人全員が共同で行う必要が出てきます。
これが成立すればあくまでもプラスの財産範囲内で債務などを相続するということができます。
借金だけが多額にある場合は全員で放棄すればいいと思いますが、明らかに借金もプラスの財産もある場合、この方法を取れば、お金を貸していた人、債権者にプラスの範囲で弁済ができ、かつ、それ以上の負債を負わなくて済みます。
相続放棄
この場合、何も受け取れないという形になります。
この選択をするかしないかの判断のしどころが難しいです。
相続放棄をすれば、要らないものを相続しなくて済むようになりますが、欲しいものがあったとしてもそれももらうことは出来なくなります。
選択の期限は相続の開始を知ったときから3か月以内
誰かが亡くなり、その法定相続人がその死を知ったときから3か月以内に相続放棄か限定承認を行わなければ、自動的に単純承認したとみなされます。
亡くなった人が何を持っていたかなど把握するだけでも相当時間がかかることでしょう。
本当に欲しいものだけもらいたいという場合には、生前から財産を把握、情報の共有を行っておくのがベストです。その上で、もし可能であればやはり、時間をかけて相続人同士で
「こうなった場合は、こう分けましょう」という話し合いを行っておくことです。基本的に財産はその被相続人(亡くなる方)の持ち物ではあるので、亡くなったタイミングでどうなるのか ということも分からないですが。
更に間違いないのは、みんなで話し合った上で遺言書を書いておいてもらえれば、亡くなった後は淡々とその通りに所有権を移すという方法が取れます。それであれば確実に欲しいものだけ手に入れることが出来る可能性は高まります。
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お読みいただきありがとうございました